解説

子どもの BMI を大人の線で読めない理由

同じ BMI 18 が、5 歳では第 96.7 パーセンタイル、19 歳では第 3.9 パーセンタイル。数字は変わっていません。変わったのは年齢で、位置は端から端まで動きました。

中央値そのものが動いているから

大人の BMI を固定の線で読めるのは、大人の中央値がほとんど動かないからです。 子どもの中央値は動きます。男の子では、BMI の中央値はこう進みます。

  • 0か月13.4出生時
  • 6か月17.3乳児期の山
  • 5歳15.2
  • 19歳22.2参照の終わり

上がって、下がって、また上がる。乳児期は体脂肪の割合が高く BMI は生後6か月ごろに 頂点を打ち、歩き走るようになるにつれて 5 歳ごろの谷まで下がり、 思春期を通じてまた上がります。この転回を文献ではアディポシティ・リバウンドと呼びます。 土台そのものが動いているのに、ひとつの固定した数字と比べても意味がありません。

乳幼児健診のカウプ指数が、すでにそう作られている

日本の乳幼児健診で使うカウプ指数は、式としては BMI とまったく同じ (体重 ÷ 身長²)です。名前が違うだけで、出てくる数字は同じものです。

注目すべきは判定のしかたです。カウプ指数の判定表は、ひとつの線ではなく月齢ごとに違う帯を持っています。3か月の「ふつう」と1歳の「ふつう」と 3歳の「ふつう」が同じ数字ではない。つまり日本の実務は、この記事が言っていることを 別の名前ですでに実装しています——線は年齢とともに動く、と。 パーセンタイルで読むというのは、その考え方を月齢だけでなく思春期の終わりまで 延ばしたものにすぎません。

同じ BMI が年齢ごとにどこへ落ちるか

男の子:ひとつの BMI 値が各年齢でどこに落ちるか
BMI2歳5歳8歳12歳16歳19歳
1653.972.156.819.410.2
189496.79058.8133.9
2099.799.898.384.642.220.1
24大人の線10010010098.287.172.1

パーセンタイルは WHO 児童成長基準(2006)・WHO 成長参照(2007) の LMS パラメータから計算しています。 女の子の数字は少し違いますが、形は同じです。

大人の線は、子どもが届かないところにある

大人の過体重の判定値は BMI 24 あたり、 肥満は 28 あたりです——ここの数字は WS/T 428—2013(中国の成人向け標準)から取っており、他国の判定値も近い値です。 いずれにせよ大人の線です。8 歳で第 97 パーセンタイルの男の子でも BMI は 19.7 しかなく、その大人の線より 4.3 低いのです。

言い換えれば、同じ年齢の上位 3% に入っている8歳児が、 大人の判定値に照らすと「ふつう」と読まれます。大人の標準が間違っているのではありません。 この年齢のために書かれたものではない、というだけです。

では子どもの線はどこにあるのか

WHO 2006/2007 は固定値ではなく標準偏差を使います。519 歳では +1 SD(およそ第 85 パーセンタイル)と +2 SD(およそ第 97)が2本の帯で、それぞれに対応する BMI の値は 1か月ごとに違います。この線は基準自身のものです。

ここの計算機は、計測値がどのパーセンタイルに落ちるかを示すだけで、子どもにラベルは 貼りません。BMI は筋肉と脂肪を区別しませんし、その子が急に伸びた直後なのか 昼食を食べた直後なのかも知りません。位置であって、結論ではありません。 大事なのは続けて測った記録と、その全体を見た小児科医の判断です。

10歳を過ぎると、残る表はこれだけ

WHO 2006/2007 の体重-年齢の参照は 10 歳で終わります。思春期の身長の急伸のあとでは、同じ体重が身長の違う子どもの上で まったく違う意味を持つからです。10 歳より上では、 BMI-年齢のパーセンタイルだけが依然として成り立つ指標です。

自分の子どもの数で試す

どの基準で見るか
性別

この数項目を入れると、ここに位置が出ます

計算はすべてブラウザ内で行われます。入力した内容がサーバーへ送られることも、保存されることもありません。

よくある質問

子どもの BMI はいくつなら正常ですか
ひとつの数字はありません。BMI の中央値そのものが年齢で変わります。男の子では出生時に 13.4、6 か月で 17.3 まで上がり、5 歳ごろ 15.2 まで下がって、大人になるまでに 22.2 まで上がり直します。見るべきはその子の年齢と性別でのパーセンタイルであって、固定の判定値に照らした数字ではありません。
大人の BMI の判定値を子どもに使えますか
使えません。8歳で BMI が第97パーセンタイルの子どもでも、BMI は 19.7 しかありません。大人の過体重の判定値(24 あたり)より低い値です。大人の線を子どもに当てると、その年齢の子どもがほぼ誰も届かないところに線を引くことになります。
子どもの BMI が5〜6歳ごろ最も低いのはなぜですか
発達の正常なリズムです。乳児期は体脂肪の割合が高く BMI は生後6か月ごろに山を作り、動けるようになるにつれて下がって 5 歳ごろに谷を打ち、思春期を通じてまた上がります。この上向きへの転回を文献ではアディポシティ・リバウンドと呼びます。